オレの宝物。それは君の笑顔【完】
「だから、本当に、オレのカノジョになってほしいんだ」

「でも……」


北原は困惑した表情でオレを見た。


北原が織田を好きだということは、わかっている。


だけど。


「オレじゃ、ダメ?」


オレは、織田とは違う。


「オレは、絶対に北原を不安にさせない」


オレの言いたいことがわかったのだろう、北原は表情を硬くした。


「――続いては『イケメンナンバー1』と『美少女ナンバー1』です。どうぞ~」


その時、アナウンスが流れて。


「オレ、本気だから」


オレは本心からの言葉とともに、戸惑っている北原を舞台へと送り出した。


そのすぐ後を追って行った、織田。


これでなにも行動を起こさないようなら、北原はさすがに織田を見限るだろう。


オレは、織田がなにも出来ずにいることを祈った。

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