オレの宝物。それは君の笑顔【完】
夏休みになり、サッカー部の連中と柚夏子とその友達とで花火大会にやって来た。


「あれ、北原じゃね?」


トミが指差した方向を見ると、確かに北原がいた。


男と、一緒に――。


しかも、2人はかなり楽しそうで。


「あれ、カレシかな? カッコイイね」


その男は、北原に似た雰囲気の、超イケメンだった。


あれが、北原のカレシ――。


口に入れたばかりのたこ焼きがなかなか飲み込めなくなり、まだ半分以上残っていたパックを、


「これ食う?」


すぐ隣りにいた柚夏子に渡した。


「タカが食べ物くれるなんて、珍しいじゃん。明日、雪が降るかも」


柚夏子の軽口にやり返す気も起きず、


「うん……なんか食い過ぎた。ちょっと腹ごなししてくる」


オレはその場を離れた。

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