君がいたから、僕がいる
第一章
かチャ…



「やっぱり前より視力がかなり下がってますね。」




机の上に一本のペンを置く医師。




「…やっぱり治りませんよね?」


「私達はやるだけの事はしました。しかし…やはり生まれつきから悪いと…。」

「…そうですか。」






私、澗雫柚依(15)は生まれつきから目が悪い。

どんな眼鏡をかけても、どんな事をしても、目は一向に治らない。

何の病気かも判明しないまま私は生きてきた。







「お母さん、明日部活あるから帰り遅くなるで。」


携帯を耳に当てながら歩く私。
携帯についている鈴が鳴り響く。
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