キミがスキ






「あった?」



「あった、あった。」



「ゴメンね。待たせて。」



「・・・・・と、そうだ。
忘れないうちに。」



「このまえおみやげ屋で見て
ちょっと気になっててさ。」



「コレね俺が持ってたの。」



「え」



「返しそびれて
ゴメンねーーー。」



「あ・・・ありがとう。」




私たちは自転車に2人で乗って
河原を走っていた。」



「なんか食べてく?
おなかすいたよね。」



「すいたーー。
オールコートの練習日って
消耗するよね。」



「ねー。」



「アウトサイドのシュート。
まえよりフリーで打てるように
なったよ。」



「おー!!やったね。」



「やっぱ茂木先生すごいかも。」



「でしょー。
卒業するころにはみんな
信者になるよ。」



「うん、うん。かもねー。」



「そだ。そんでなに食べるー?」



「うーん・・・・なんだろ・・・・」



「洋食系・・・?」



「パスタとか・・・」




ギュッ。。。


私は恭平からもらった
髪ゴムを握りしめながら
声を押し殺して泣いた。



「・・・・・っ」





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