きみ、いとほし〜幕末純愛抄〜
参)新撰組

*文久3年8月

「さぁて。朝ご飯の準備しなくちゃ。」


私の1日は朝ご飯の準備から始まる。

ここに来てもう5ヶ月。

仕事にも慣れて今では手際よくこなせる。


「やぁ、華さん。おはよう。今日も早いね。」


「あ、源さん。おはようございます。」


朝ご飯と夜ご飯の準備は源さんも手伝ってくれている。


「源さん、すみません。源さんは副長助勤なのに手伝ってもらっちゃって・・・」


源さんは浪士組の中でも幹部職についている。

私はそんな源さんに申し訳なく思っていた。


「なぁに。稽古には総司や永倉くんなどたくさんいるさ。わしにはこっちの方が性に合っとるよ。それに洗濯や掃除は平隊士に手伝わせてもいいが、さすがに料理(これ)はなぁ。」


そう・・・

平隊士のほとんどは刀は使えるが包丁は使えない者たちなのだ。


「クスッ。そうですね。以前、大変なことになりましたから。」


私は以前、平隊士とご飯の準備をした時のことを思い出しながら言った。


「華さん一人じゃ大変だよ。さぁ、早いとこ朝ご飯を作ってしまおう。」


私と源さんは喋るのを止め、朝ご飯を作り始めた。



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