イジワルな俺様の秘密ライフ


食堂に戻り海翔に礼を言う。



海翔はただ一言「ああ」と言った。



海翔はいいの? と訊いたけどいらないというので、

ちょっと申し訳なく思いながらも、私は一人でいただくことにした。



海翔を目の前にしてザッハトルテを食べるのは、これが二回目。



なんとなく、

本当になんとなく、


誕生日とか、クリスマスとか──ううん、そんな特別な日じゃなくても、

嬉しい日とか、頑張った日とか、そんな些細な日に、

またこうやって食べれたらいいななんて、

海翔と笑顔で食べれたらいいななんて、

そんなことを考えてフォークを口に運ぶ。



食べる前は、食べない海翔に申し訳ないなんて思ってたけど、

そんなのが吹き飛ぶくらい、

美味しかった。



自然に溢れた笑顔に、海翔も笑顔を返して寄越して、私の心臓はまた暴れ出した。



海翔の笑顔は私を平静でいさせない。



天使の笑みも、悪魔の笑みも、

優しい笑みも、イジワルな笑みも。


みんなみんな、私の心臓をめちゃめちゃに動かすんだ。


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