イジワルな俺様の秘密ライフ
このパズルにいる私の視線の先にいる対象は、
いま私の目の前にいる人物だろう。
私、こんな顔で海翔を見てるんだ……
可愛いなんて言われたことのない私だけど、
この顔を見たら。
皮一枚なんて大したことじゃないと思った。
美人じゃなくても、
可愛いくなくても、
得意技が不本意な百面相でも、
この笑顔には、見てるこっちまでが幸せになりそうな、そんな表情があるから。
だけど、どうしてシュウさんはコレを私に……?
言葉が出てこない私を目の前に、
海翔はおもむろに、両手の親指と人差し指を使って四角く組み合わせ、フレームを作った。
「おおかた『その表情に恋をした』といいたいんだろうけれど。
その表情をさせたのは一体誰なのか、きっちりわからせなきゃならないみたいだな」
目を細めて口角をやんわりと上げて。
笑む海翔は艶かしさに凄みが加わりつつ、
ゆっくりと近付いてくる。
私の後頭部に海翔の指が触れたかと思うと、
一気に引き寄せられて。