イジワルな俺様の秘密ライフ


このパズルにいる私の視線の先にいる対象は、

いま私の目の前にいる人物だろう。



私、こんな顔で海翔を見てるんだ……



可愛いなんて言われたことのない私だけど、

この顔を見たら。



皮一枚なんて大したことじゃないと思った。



美人じゃなくても、

可愛いくなくても、

得意技が不本意な百面相でも、

この笑顔には、見てるこっちまでが幸せになりそうな、そんな表情があるから。



だけど、どうしてシュウさんはコレを私に……?



言葉が出てこない私を目の前に、

海翔はおもむろに、両手の親指と人差し指を使って四角く組み合わせ、フレームを作った。



「おおかた『その表情に恋をした』といいたいんだろうけれど。

その表情をさせたのは一体誰なのか、きっちりわからせなきゃならないみたいだな」



目を細めて口角をやんわりと上げて。


笑む海翔は艶かしさに凄みが加わりつつ、

ゆっくりと近付いてくる。



私の後頭部に海翔の指が触れたかと思うと、

一気に引き寄せられて。


< 259 / 290 >

この作品をシェア

pagetop