最初で最後
「居たけど何で」

「今も付き合ってるのかなぁ…と思って」

「…3年時に別れた」


淋しそうな顔はしなかった。
面倒そうな顔をしていた。

聞いちゃいけなかったのかな?
もしかして何かあった?

あたしが何も言えずに黙っていると、先輩は微笑んでくれる。
優しい笑顔が其処にあって。あたしは、泣きそうになった。
先輩の顔が、淋しそうな笑顔だったから。

「あ…何か聞いちゃいけないこと聞きました?」

「あー別に。気にしなくていいよ」

俯いているあたしを気にしてくれたのか、立ち上がって、
飲み物を取ってきてくれる。
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