光る道
第十二章

家族

ヒュー・・・  ウゥー・・・



今夜は風が強い…



布団の中で、何度も寝返りをうつ。



時計を見ると、一時。




…眠れない… 明日早いのに…





私は子供の頃から風が強いと、なかなか寝付くことが出来なかった。



窓に打ちつける、うなる様な音が、私を緊張させる…




 バタン・・・



ドアの閉まる音。




薫、帰って来たんだ…




ちょっとホッとした。彼が近くに居てくれると思うと、少し安心する…




顔、見たいな…


でも、もう遅いし…





しばらくすると、彼の動く気配が、なくなった。



もう寝たかな・・・






「はぁ… 水でも飲むか…」



つぶやいて、起き上がる。




リビングに入ると、電気は消えていて、ちょうど部屋へ入ろうとしてた薫と目が合った。





「あっ… 起こしちゃった?」




声をかけてくれた彼の顔を見て、またホッとする。




「ううん… ちょっと… 眠れなくて。」



水を飲みながら答えた。




「どうした?」



そう言いながら、彼が近づいてくる。





< 201 / 228 >

この作品をシェア

pagetop