零~ZERO~
取り扱い説明書
貴矢と、一緒に暮らす前、付き合っている時に、私は2冊の鬱病に関する本を彼に読んでもらった。
全部が私に当てはまる状態ではないけど、参考になれば…。

私は、こんな奴です的な、私の取説の様な気持ちで読んでもらった。


本を読んだだけで、理解できたら、医者はいらないと思うし、私も自分で自分を理解出来て、病が治っていると思う。

私自身が私を理解出来ないから、意味の分からないから行動をとったり、時々、貴矢を困らせて、迷惑をかける事も必ずあると思うし、もう、裏切られ、軽蔑されるのが怖いから、前もって、本を読んでもらった。




最初は何も無かった生活感の無い部屋に、自分の家という感じがしなかったが、色々物が増えていくと、2人の部屋という感じがしてわくわくした。

カーテンは、私が選んだ物。
テレビは、貴矢が実家の自分の部屋から持って来た。
それぞれ、お互いの私物達が集まって、貴矢は、こんなの使ってたんだぁ。
とか、お互いの距離が縮まっていくように感じた。


風俗で働いていたくせに、貯金が無い私が住まわせてもらっている状態だったけど、それでも一緒に暮らしたいと思ってくれた貴矢に感謝している。
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