俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
そう口に出したいけれど、池谷くんがわざわざ学校を抜け出してまで、あたしにチャンスをくれたことを考えると、「大丈夫」としか言えない。
本当に心配かけてごめんなさい……。
「そんな状態で診察できるの?お父さん」
「絶対に出来るわけないだろ。こんなにも柚のことが心配なのに」
「お医者さんなんだから、診断ミスとかしないでよ?」
冗談で、言ったはずなのに。
お父さんは、何故かあたしの手を握ってきて、
「お父さんもそう思ったから、柚の診察は朔夜くんにお願いすることにしたんだ」
「……へ?」
「大丈夫だよ柚!朔夜くんはまだ若いけど、腕は確かだから!ちゃんとした診断を下してくれるから心配するな」
「えええっ……!?」
爆弾を落としてきた。
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