俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
「朔夜くんって……あの一緒に暮らしてる人、だよね……?」
「何言ってんだ?朔夜くんのこと忘れたのか?やっぱり胸が痛いって重病――」
「違うから!先生のことでしょ?いくらあたしがバカといっても覚えてるから!」
さらにショックを受けないように、お父さんの誤解を解こうとしてるけど……
こんなにはしゃいでたら、仮病ってことがバレそうだよ。
「もうお父さん、あたしのことは大丈夫だから!仕事してよ!」
「え、でも……」
「先生が見てくれるんなら問題ナシでしょう?ほら、戻った戻った!」
これ以上お父さんと話していても埒が明かないので、あたしは無理矢理お父さんの背中を診察室に向ける。
そんなあたしの様子を感じ取ったお父さんは、しぶしぶ診察室のほうへと戻って行った。
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