俺をオトしてみろよ。~愛しのドクターさま~
抑えていた想いは、一気に溢れ出してしまう。
まだまだ弱い、あたしの心。
強く、なりたいのに。
先生のことを考えなくても、キラキラと輝いていれるようになりたいのに。
「先生に最近会わないなと思ってたけど、あの時間にいつも起きてたのかな……。もう少し早く起きようかな」
もう一度先生の顔を見てしまったら、もう耐えられない。
頭をぶんぶんと激しく振り、先生のことを頭の端に追いやると、学校へ向かう足を速めた。
………早く勉強して、頭の中をテストのことでいっぱいにしたい。
絵梨にゃんとたくさんお話して、今のモヤモヤした気持ちを消し去りたい。
「……テストまで時間がないもん!急げ急げ!!」
そう独り言を呟きながら、あたしは学校へ向かうのであった。
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