戦闘カーニバル

「ミクヤ、お前開けられないか?」

こちらに振り向き、真剣な眼差しで問いかけてくるカイト。
つまり私に扉を開けろと言う意味だ。

「あのねぇ…私は怪物じゃないのよ?」

呆れ半分に言うとカイトは残念そうに肩を落として扉をまっすぐ見つめていた。

「だらしないけ。おいらが開けてやんよ」

そう言ってカイトの胸ポケットから出てきて扉に手を添えて押し始めた。

「無理だから諦めろって…」

「なめるなももんがを!」

……いつの間にかきちんとももんがを自覚しちゃってる…。
じゃなくって!あんな小さな手であんな頑丈な扉を開けられるはずが…。




ガチャン!





え?



< 65 / 73 >

この作品をシェア

pagetop