神様は気になさらない(KK2)

帰還

(え……?)


信じられない。
ルイの身体を、後ろから抱きしめる、暖かい腕。
肩越しに触れてくる、吐息。


「チャーリー?」

「あーあ、そのおっさん、気絶しとるやんか。こんな奴の血なんか、こっちから願い下げやけどな」

「チャーリーっ!」

ルイは、振り返ってチャーリーにしがみついた。
腕の中に、確かにチャーリーがいる。


「そんなに泣かんといて。ごめんな、ルイ。けど、絶対に戻ってくるって言ったやん。こないな無理して。復讐なんて、ルイには全然似合わんよ」


チャーリーが、そっと、ルイの頬に手を当てて、顔を上げさせる。


「待たせて、ごめんな?ルイ」
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