星降る夜


本を戻し終わり、個人スペースに帰ると、ハルは俯いて瞼を閉じていた。


「終わったよ」


声をかけると、ハルはゆっくりと目を開いた。

その動作はあまりにも作りものめいていて、なんだか不思議な感じがした。


「時間、あるか?」


ハルは言った。

私は頷く。


「少し付き合え」


ハルは立ち上がった。

私は慌ててかばんを持ってハルを追いかけた。
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