【短編】ウラハラ


結局ダラダラ時間を掛けて、終わって30分くらいで席を立った。

早くに出た人の席はもう空席で残っているのは残業組の役職者の人がほとんど。
後は雑談している女子だけだった。

階段を一段降りるごとにどんどん鼓動は早くなる。


ドクドクと頭まで響く心臓の音が息苦しい。


ようやく下りきって1階の部屋を覗くと明かりが付いていた。

擦りガラスなので、誰がいるかはわからないけど。




出入り口の扉を開けると途端に冷たい風が吹き込んでくる。

3月なのに全然温かくない。

火照った身体を冷まされて急に冷静になれた気がする。



やっぱりいるハズない。




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