【短編】ウラハラ


「美々ちゃんに直で電話するとあやしまれるだろ?
波田野はこの時間昼じゃん」

隣の女子の休憩時間まで把握してるのか、この人は。
溜め息を吐きながら、何か用ですか?と聞いた。

「メール見ただろ?」

始めに戻ったし。

見てないです、と冷たく言う。


「ウソはよくないなぁー。
開封したら通知が来るようにしてるんだよ」


…ストーカーですか!?


言葉につまっていると、
「終礼終わったら喫煙スペースで待っとくから」と告げて返事も聞かずに電話は切れた。

私は唖然としたまま音のしない受話器をしばらく耳に当てていた。




< 2 / 56 >

この作品をシェア

pagetop