【短編】ウラハラ


時が止まったようにお互い身動きしないで見つめあっていた。


先に顔を背けたのは柏木さんだった。
滑走路の方へ身体を向けて新しい煙草に火をつける。


私は、目の前で起こっていることが信じられなくて瞬きを繰り返す。




好きって、私を?




「…冗談ですよね?」


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