【短編】ウラハラ
頬杖をついて斜め前に視線をやると、吉田君と目が合った。
「…何?」
不機嫌な顔でこっちを見る。
「ちょっと見てただけだよ」
「見ないで、気が散るから」
素っ気なく言って吉田君はまた目をパソコンに戻した。
…悪かったわね!!
同期入社だけど大卒の吉田君は2個上の先輩。
黒縁メガネにこじゃれたパーマのかかった頭の吉田君。
顔は普通だけど恋に落ちる気がしない。
落ちる気もないけど。
人間顔じゃないよね。
…なんか私矛盾してる?