Milky Way
冬の風の音がする。

とても寂しい音。

その風景と真逆の多くの人達のざわめく声。

高校とは比にならないくらい大きな建物が何棟も。


そう…ここは以前シンが受験すると言っていた県内の大学。

私はひとつの希望を胸に宿し、ここへとやってきた。

シンがここを受けたのかという事実は私には分からない。

なぜならその時はもう…

だけど可能性は十分にあるはず。

あの優秀なシンだもの、落ちた可能性は少ない。

それでも不安になる。 


(大丈夫。もうすぐあなたの傍。)


私はギュッと胸の辺りを握りしめて大学の構内へと歩き出した。

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