Milky Way

なかごぼし

帰りにはいきなり雨も降り出すし、気持ち悪いのは納まらないしで、やっとの思いで帰宅した。


「ただいま」

そう言ったところで返事はない。

ただ言わないとあの女の癇癪に触れてしまうことになるから一応言っておく。


部屋に戻るとベッドに倒れこんだ。

時計をちらっと覗く。

（まだ７時前。）

この時間だったらあと３時間はあの女は来ない。

（その前にちょっと休もう。）


私は眠りに付いた。



―ダッダッダッ



この音が聞こえた瞬間、目が覚めた。

体が覚えている。

しかしこの日は具合が悪いのと寝起きの気だるさで体を起こすことが出来ない。


―バンッ


いつものように扉がしなる程強力に開けられた。