視線の権利

合コン

アキノが連れてきた女の子たちに私は驚いた。


だって雰囲気がバラエティ豊か!

つくづくアキノの頭の良さを感じる。

今日は5人対5人。
うう。ドキドキする!

出掛ける前。

「アキノぉ、ホントに似合ってる?」

私はパステルピンクのスーツに白いコートを羽織り、鏡の前に立っていた。


メイクはベージュを基調に目もとに少しピンクと淡い紫。
唇にはローズピンクのグロスを重ねた。

「大丈夫かなあ? このスーツ、前よりサイズ小さいのに」


私の髪を巻き終え、今度は入念にコテを使いながらアキノが怖い顔で睨む。


「あんたねー。自分がたった3週間で激痩せして肌ボロボロだったの気づかなかった?」


「え?」

「やっとくすみも目立たなくなったし、メイクもしたんだから! これからの決戦、そんな事でどうするのよ!」


そんなカツを入れられやってきた「戦場」。

今日のメンバーは、アキノの大学時代の部活の後輩2人、取引先で仲良くなったコたち。

みんな若い……。

でも全員人懐っこい可愛い性格で、駅から合コンの店まで気軽に話しかけてきてくれた。

「えー! アキノさんと同い年? 私と同じかと思いましたあ!」

「アキノ先輩って伝説の鬼副長だったんですよー!」

あ、はは。わかる。
だけど軽くゲンコツをくらいながら舌を出す後輩ちゃん。
アキノって慕われてたんだなあ。


しかし副長? 普通、副部長じゃないの?

ほどなく着いたイタリアンレストランはお洒落で天井が高く、個室も広々として落ち着いた雰囲気だった。


合気道部のOBや現役部員の男性陣は、体育会系らしく先に到着していた。


なんか、かっこいい人ばかり?
合気道って体格がごつい人ばかりかな? と思ってたけど体格のいい人も細身の人も居る。

太極拳みたいな武道だって聞いた事があるから様々なのかな?

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