[妖短]空の境界線を越えて
「たいてい、大きな坊さんのような人物が現れて、
顔を見ようとすると必然的に見上げる形になる、
ところが、見上げれば見上げるだけその人物は大きくなっていってしまうんだ」

邪険にするのもアレだなぁ。と、思うと
つい、大人しく聞いてしまう。

「見上げ続けると後ろに倒れてしまってその瞬間食い殺されるとか、
大きくなった見越に上をまたいで通られると死ぬとか、
そういう話が多いから、対処法もあって、
『見越した』や『見抜いた』って言うと助かるって言われてる」

マニアの話って長い。
けど、五十嵐の話し方はちょっとした手振りや緩急があって、
こういうと失礼だけど、意外と面白かった。
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