あめとてるてる坊主

 軽く手遅れになりながら、傘を広げた。

 傘の上を大きく跳ねる音に、私は右隣を見る。

 この場所でいつも彼を盗み見ていた。

 名前も声も何も知らなかった彼を。

 今は名前も声も、アドレスさえも知っている彼を。
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