あめとてるてる坊主
 気づけば花火まであと10分。

 男子に交じってはしゃぐ沙世ちゃんから少し離れて、私は里美ちゃんと話していた。

 私は今度こそと決意をしていた。

 何気ない話をしながら、そのチャンスを待っていた。


「晴子、楽しい?」

「え……?うん、楽しいよ」

「そう、ならよかった」


 里美ちゃんは笑い、空を見上げる。

 今だ、と思った。


「あのね、里美ちゃん。いつか話すって言ったこと、覚えてる?」

「ん?」

「やっとね、話そうと思えたんだ。聞いてくれるかな?」


 里美ちゃんが促すように、頷いた。
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