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私の全ての体重を担ってくれた看護婦さんに

ベッドに座らされ

あとは本能のまま

布団を被り瞼を閉じた





最後に聞いた言葉は

「荷物、ここに置いておきますね」

という看護婦さんの言葉だった





意識は眠りに誘われているのに

さっきの映像がこびりついていて

忘れる事が出来ない






酸素を懸命に取り込もうと

必死で泣いている

臍の緒がついた赤ん坊の事が




あの子は男の子だったのかな

女の子だったのかな




性別を告げられた時の言葉を

思い出そうと思っても思い出せず




慎司似だったかな

私似だったかな




顔だけを思い出そうと思っても

思い出せない





手術台に私が居て

泣いている赤ん坊を

看護婦さんが私に見せている




漠然とした景色が脳に刻み込まれ


思い出せない私は


深い深い所に意識を飛ばした
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