本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
「小池さん。何目を閉じて真剣なんですかぁ?」


何時も可愛い久美子ちゃんがニコニコ笑いながら近づいてきました。


げっ!


見てたのかい?



「・・?」



言葉が見つかりませんよ。



こんな時は笑って誤魔化す作戦ですよ。



「小池さん。太郎さんが来てますよ。ほらっコミック売り場です」



「えっ!ダーリンがぁ御来店なのぉ」



花子はさっきまで、まっさんを思い鬱々としていたはずなのに。



ダーリンの御来店でワクワクしてしまいましたぁ。


一目散にコミック売り場の棚の整理に向かいます。



ダーリンは見本の{猫夜叉}を真剣に立ち読み。

失礼しました閲覧していますな。


ヤッパリ素敵ですよ。



ダーリン。





あっ


もう



メタボ男


花子の気持ちに邪魔なその顔だすんじゃぁないよ






花子はもうあの日の「魔法の傘」の{残念だと。珈琲カップの底の砂糖が言っています}の答えの意味が解っていましたよ。

花子は何時もブラックなので、気づかないふりをしていました。


こう言いたいのですな?

勝手な解釈ですけどね。



*珈琲の中に砂糖を入れてちゃんと混ぜて上げないと苦いだけで甘さを味わう事が出来ません*


そうなんですよ。

きっとちゃんと気持ちを混ぜあわせて味合わ無いとほんまの恋は味わえないよってかなぁ?


ん?


残念だと言ったのはカップの底に残ってしまった砂糖{気持ち}なんだろうなっ。


花子は益々不安になりましたよ。


花子は自分の気持ちが解りませんからね。


あらっ。

花子はちょっと考え過ぎているんではないだろか?
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