本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
素直に気持ちに従う事も恋には必要では?



花子は「魔法の傘」の表紙をマジマジ見つめてみましたよ。



{開いたページに貴方への答えが}


ちょっと聞いてみますかぁ?



花子は、まっさんが好きなんですか?



もう一度静かに目を閉じてページを開いてみました。
 

ドキドキよりザワザワしてますよ。


花子の心の答えがちょっと怖いと思っています。


花子は慎重に「魔法の傘」の中程のページに右手の親指を挟みました。



ザワザワする気持ちに加速がついて、胸の鼓動がドクドクと早くなるよ。

さぁ開こう!


花子はさっきと違って、思いっきり親指を挟んだページを開けましたよ。

「・・・」





{ようやく貴方の心の扉が開き始めたと、閉じたままの傘が言っています}


ん?


閉じたままの傘?


花子は答えの半分が理解出来ませんよ。



傘は何を意味しとるんや?



あっ


すっかりと、忘れていましたよ。



ダーリンの存在を。



花子はダーリンがいるコミックコーナーをそっと店内後ろにある作業台の影から覗いてみました。


いない。




ダーリンは花子が悶々と「魔法の傘」と向き合っている間に帰ってしまったようです。


花子は以前なら、ダーリンをこっそりとお見送りしたのに。



まっさんの事で気持ちが一杯で。



もう

メタボ野郎



花子を惑わすのは止めてつかぁさい



花子はダーリンが好きなんだよ?


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