本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
花子は雑誌を買うお金があるなら文庫本を買いますよ。


宮田ゆきみのサスペンスを買いますよ。

神永習を買いますよ

浅田一郎の[プップ屋]を買いますよ




しかし今度は違う。


蟹原桃子のなんて素敵なお顔。

「久美子ちゃん。花子をカニちゃんみたいにして下さいな」


「カニちゃんですか?じゃあ明日マスカラを塗る前に繊維が入った下地を買って来て下さい。Sマートのテナントに化粧品のお店ありますから解るように店に電話しときます」


Sマートは花子の昼間の仕事場。

休憩時間に行ってみよう。


「小池さん私が後は用意しますよ。化粧品買っても使わないのが沢山ありますから」


「いいの?」


化粧品なんて眉墨と口紅しか買わないから、何を用意したらいいのか解りません。


花子のスキンケアはビオルの洗顔料で顔を洗い。

その後でアロエベラとラベンダーをホワイトリカーに浸けて、グリセリン混ぜて使う自家製化粧水のみ。


以前、父が酒と間違え飲んでお腹を壊して怒って捨てる騒ぎにもなって大騒動になったのですが。





駄目でしたかね?

それだけじゃ久美子ちゃん?


と言う訳で花子は化粧を始めましたよ。



マスカラやアイシャドーまで塗っちゃいますよ。


ダーリン花子は貴方の為に女になります



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