本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
読み終わった瞬間でした。



「小池さん。秋祭り当日にイベント会場で子供達に読んで聞かせてくれませんか?」



「なんで?」



「なんとなく」



「当日はレジが忙しいから小池は辞退します」



ダメでした。


いくら断って足掻いてもまっさんは上司。


就業時間内の仕事依頼を簡単には断れませんでしたぁ。



何時もそうやって花子をまっさんのテリトリーに引きずり込むんよね。


な、感じが何だか花子は胸をくすぐられてる見たいで。






まっさんよ



もう花子をお祭り女にしないで下さいよ。



しかし活字絡みだし子供絡み。



なんだかワクワクしていますよ。



『まえがみぱっつん』


可愛く読めるかなぁ。



花子楽しんでしまってますよ今の状況を。






さぁ。



そうと決まれば花子は愛する甥っ子2匹を前に読み聞かせの練習です。


って花子しょっちゅう読んで上げてるから必要ないかもだけど。



何時も花子が物語を作って甥っ子君達にあらゆる工夫を凝らしたりするから得意っちゃ得意だけどっ。


半分でたらめだからやっぱ練習しないといけないなぁ。


 
「りょう君。たい君絵本読んだろかぁ」



花子の言葉に2人の愛する甥っ子君達が目をキラキラ輝かせて駆け寄ります。




まっさんのあのキラキラした瞳と同じです。



胸の奥が愛しい気持ちで一杯になりました。


って。


甥っ子君達にですがね。



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