本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
最後の花道
「まっさん。聞いていいかい?」


「なんですか?」


「私の何処に惚れたんだ?」


花子は既に冷めてしまっている珈琲を少し飲むと『犯罪心理学』の怖いページを何となく見てました。


まっさんも空になった紙コップをクシャクシャ丸めては広げるという行動を繰り返していました。

今、問うのが間違いなのかな?


「言えないならいいけど答えなくて」



花子は本を閉じて席を立とうとしました。



「やって出来ない事は何にも無いって言って誰にも言わず努力してでそれを必ずやり遂げてしまう貴女が好きなんです」


まっさんは真剣な目をして花子を見ました。


「まっさん・・・」


花子の気持ちは揺れてしまいますよ。


さっきまでまっさんを軽く見てたのかも知れない花子の言動が悔やまれました。

まっさんどうしてそんなに真剣なんだよ


花子は恋に真剣になれないのにさっ。



で、何で花子を選んだのさっ。


花子は泣きたくなりますよ。





「まっさん。私はそんなに強くないよ強い小池が好きなら間違ってるからね」


花子は素直じゃ無いんです


「小池さん貴女の弱さも知ってますよ。良いところも悪い所も知ってると思ってます俺に無いんですよ貴女が持ってる物」


「・・・」


花子は胸の奥が狭くなって息が出来ませんでしたね。


まっさんをシバラク見詰めた後花子は静かに休憩室を出ました。


笑顔が今日は作れません。



まっさん。



花子はどうしたらいいのかな?





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