本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
花子は事務所の前まで来たのですが、なかなかドアを開けられずに悶々としていましたよ。



「あのっ。小池さん。何してるん?」







まっさんは売り場に居たのかっ?



「早く中に入って下さい通路狭いからっ早くっ」



そう言って花子の背中を押して事務所にはいったまっさん何故かソワソワしていますよ。



まっさんなんでしょ?



忙しいなら後程現れますが。



「小池さん何か僕に言いたい事あるんじゃないですか?」



まっさんのその言葉でまっさんの背中をなんと無く見詰めていた花子は我にかえりました








「解ってますよ小池さん。おめでとうございます引き留めたりしませんから」


そう言ってまっさんは花子に一枚の書類を渡しました。



まっさんは堪らなくなる位に寂しげな歪んだ顔で花子を見ましたよ。


花子はまっさんから手渡された書類を見ました。



*退職届け*


まっさんよ何故知ってるの?



「何で、知っとるの?」



花子はまっさんをマジマジと見詰めて聞いてみました。



まっさんは背中を向けて机に何やら指で文字を書きながら言ったのよね。


「あんたいっつも言葉が足りないんや。俺もやけどでもあんたが決めたんでしょ頑張って下さい」





まっさん泣いてるのか?

肩が震えとる?


花子はそんなまっさんの背中見たくない


「ごめんやで」


「何を謝ってるの?」


「あんまり上手じゃないねんよ」


「解ってますっ!いいですからっ仕事について下さい」


花子はまっさんのその言葉に事務所を飛び出てしまいました。



向かうはバックヤードの休憩室。


花子は涙をこらえなければなりませんでしたっ。


「小池!どないした?あっ、まっさんもっ」



鯛さん声をかけないで下さいなっ。


っか「まっさんも」?


げっ!怖い顔で追いかけてきやがりましたよぉ。

花子ピンチかもしれません


何をされるんでしょ?
< 149 / 185 >

この作品をシェア

pagetop