本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
花子、携帯電話を取りだして。由加ちゃんに電話をかけました。

トゥルル。



「あっ。由加ちゃん?」



「小池さぁん皆ビックリして店長(イカァァン)って追いかけるし何処にいます?」



「今、部屋の前。ごめんねお願いあるねんロンリーチップリンかけて皆に気がつかれ無いようにね」



「あっウヘヘ。了解しましたぁ」



電話を切った花子。



まっさんを見るとショボクレ顔で俯いていますよ。



そんな姿が可愛くて



笑うんですが。





[ロンリーチップリン]のイントロが流れてきましたよ。


「さぁ。まっさん!行くよ」



花子まっさんの左手に手を出し手を繋いで桃の部屋のドアを勢い良く開けました。



「はぁい!みなぁさぁぁんお待たせぇ」



勢いだけで突入した桃の部屋。



先ず浴びせられた鮮魚売り場の鯖さんの一言に花子はキュンとしました。


あっ訂正ですよ


ギクッとしました。


「新郎新婦のご入場です!ぶはっ」



止めて下さいな。



花子には大好きなダーリンいますよ



「鯖さんマイクはよ貸して!」



花子は照れくさいんやろか?思わずぶっきらぼうになりましたよ。



「まっさんシャンとしなさいよ!」



まっさんに当たる花子。



気持ちが揺れてしまいますよ。
 
 

       *
 
 
そんなこんなで花子の誕生日の夜は更けていきました。



まっさん


しっかりしんかいっ



まっさんはフロアーの角でくたばってっしまってますのよ。

その姿が可愛いやらなんやらで、気持ちが益々分からなくなりました。





まっさんよ。



花子はアナタの守りなんか出来へんのよ


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