本屋の花子〜恋をしたら読む本〜
イベント女
それから少し経ったある日のSマート。


朝組(シフトローテーションの開店前9時から夕方5時迄の接客サービス係)は昼組の12時出勤と交代で昼食に入りますよ。


花子は弁当持ってバックヤードにある従業員休憩室に入ります。


今日のmenuは卵焼きに鮭焼きそばの手抜き。

そして惣菜売り場で買ったマカロニサラダ99円税込


食べるの大好きな花子。

よく噛んで美味しく頂きますよ。


幸せな時間の訪れですな。


部屋の角にある畳掘り炬燵の長いテーブルを陣取マッタリと食べるよ。


暫くしてまっさんが買った弁当片手にノシノシ入って来て花子の斜め前に座りました。


何時も無言ですが。



お決まりのスチュエーションです。


花子は最近何だかね意識してしまってますよ。


まっさん出来るなら行って下さいな


とも言えず2人の間の静かな沈黙が何だか花子には暖かい空気に感じられました

はぁ

何だかなぁ


益々解らなくなる花子の心


食べ終わった弁当箱をバンダナで包み花子は部屋の入り口にある紙コップの珈琲を買いに自動販売機までステステと歩いて行きました。


「まっさん。何か飲む?」



まっさんを見ないまんまで話しかけました。


「うん」


まっさんは静かに立ち上がりゴミ箱へと向かいましたよ。


花子はブラックをまっさんには砂糖入りのホット珈琲を。


「まっさんお金ちょうだい」


出ましたよ花子のたかり


まっさんは黒い小銭入れにポチャポチャした指を突っ込んで小銭を出して花子に渡しながら言ったよ。


「小池さん。浴衣着て下さいね」



「ん・・浴衣何で?」


いきなり浴衣を着てくれとは一体何の事だかさっぱり解らない花子。

良からぬ予感がしますよ。




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