『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

第3節『別れ』

―ユリウス歴1400年―


―フランス―



俺はハイドにそんな出来事が起きていた事も知らずに一人集合場所に戻っていた。



『くっそ〜。まさか俺達が王にまで目を付けられてたとはビックリしたぜ。』


『しかしどうするか…今からハイドが居る昨日の村まで行くか、それともここで待つか。』



俺はハイドの事が気になって仕方なかった。


しかし、もしそれで2人共捕まる様な事になれば、それこそハイドとの誓いを違る事になる。


そして考えた結果、ハイドがもし、今日中に帰らなければ、明日、ハイドが行った村へ行き、ハイドの行方を探そうと考えた。


俺がそんな事を考えながら、ハイドとの集合場所について1時間位経った頃だろう。


ハイドを待つ俺の目にハイドの姿が見えた。


それを見た俺は居ても立ってもいられずハイドの方へ走った。



“ダッダダダ”


『おぉ〜いハイド〜』



その自分目掛けて走って来る俺を見たハイドも俺の方に走って来た。


そして近くまで来たハイドに俺が慌てながら、村での出来事を話そうとした。



『ハイド大変なんだ実は―』


『知ってるよ。俺達が王に狙われてんだろ?』



俺の話そうとした事をハイドが先に言って、それを聞いた俺はハイドにこう返した。



『そうなんだってかなんでハイドが知ってんだ今日ハイドが行った村って数日前に軍に襲われた誰も居ない村の筈だろ』



そう聞くとハイドは俺にこう言った。



『確かに村人は一人も居なかった。』


『え?じゃあ軍の奴らか大丈夫だったのか相手は何人位居た』



俺がそう聞くとハイド呟く様に静かにこう言った。



『一人…』


『一人?な〜んだじゃあハイドなら楽勝じゃん』


自分で言うのもなんだが、当時の俺達の実力は下手な大人とは比べものにならない位強かった。


だからそのハイドの言う軍の奴一人位なら楽勝で勝てるレベルの話しの筈だった。
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