『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)
ジャンヌが俺を心配そうな顔で見つめながら、そう聞いてきた。



『ああ悪りぃ悪りぃ。』


(やっぱりローにもっと話しを聞いた方が良さそうだな)


(アイツはかなり色々知ってるみたいだし。)


(もしかしたら俺達の進むべき道のヒントになるかも…)


(取り敢えず今はミカエルの言う通りに3年間の足止めだな。)



『なぁジャンヌ。』


『なに?』


『あのさぁ。実は俺、さっき森に行ってきてさぁ。』

『森?』


『ああ。昨日ミカエルの声を聞いたあの森だ』


『それで?』


『それでミカエルとまた話して来たんだけどさぁ―』

『えミカエル様と』


『ああ。それでミカエルの奴からお前に言伝を預かって来た。』


『ミカエル様から私に?』

『それでミカエル様は私になんて?』


『うん。それは、昨日ミカエルが言ってたヴォークルールの守備隊長ロベール・ド・ボードリクールへの訪問を3年後にするって。』

『3年後?何で?』


『ん〜。訳は有るには有るけど…』


(どうすっかなぁ…ジャンヌ達には嘘を付かないって決めたしなぁ。)


(かと言って今本当の事を伝えたら…)


『う〜ん。』


『ジャンヌ?』


『ゴメン。今はまだジャンヌには話せないんだ。』


『話せない?』


『昨日イザベルが言ってただろ?』


『“嘘っていうのはその嘘の内容よりも嘘を付かれた事自体の方が悲しい”って。』


『だから俺はジャンヌやジャンヌの家族には嘘を付きたく無いんだ。』


『イザベルと“もう嘘は付かない”って約束したから。』


『けど、真実も話せない…』


『正確に言えば、まだ真実を話しちゃいけない気がする。』


『だから今は何も聞かずに待っていて欲しい。』


『いつか、話せる時が来たらちゃんと話すから。』


『………』
< 173 / 229 >

この作品をシェア

pagetop