『Badend Story〜2人のジャンヌ・ダルク〜』(歴史ダークファンタジー)

第13節『カトリーヌの叫び』

―西暦20019年―



―魔法化学都市・シャンバラ―



私やミカエル先生とマルグリット先生は森の中へと消えて行ったジャンヌを見届けた後、未来のジャンヌの方に話し掛けようとしました。


しかし、ジャンヌに話し掛けようとしたその時、ジャンヌと私達を繋ぐ通信状況が悪化し始め、私達からジャンヌの姿を映し出す映像が、点いたり消えたりを繰り返し始めました。



“ザーッザーッ”


“ザーッジーッザーッ”



『先生ミカちゃん先生』


『ジャンヌがジャンヌの映像が消えかけてます。』

『速く何とかして下さい』



私は消えかかる映像を目の当たりにして、つい大声でミカエル先生にそう言いました。


するとミカエル先生は、少し困った表情をしながらこう言いました。



『“何とかして”って言われてもなぁ〜。』


『実際、今の僕には何をしたら良いのかサッパリ…』


ミカエル先生がそんな事を言った途端、映像は見えないけど、私達にジャンヌの声が聞こえて来ました。



『お〜い…ミカエル〜?』

『聞こえてっかぁ?』


『ジャンヌならもう居ねぇから、普通に話して平気だぞ〜。』



『全く…“こっちの気”も知らないで…』



ミカエル先生は小声でそう呟いて居ました。



『しょうがないなぁ…映像が映ら無くても、こっちの声もきっと聞こえる筈だ。』




そう言ったミカエル先生は通信機の前に行き、ジャンヌに話し始めました。



『お〜、ジャンヌちゃんゴメンゴメン』


『実はさぁ、さっきよりも大分通信状況がよろしく無くてさぁ〜。』


『今は、僕達からそっちの映像が、映ったり、映らなかったりでさぁ〜。』



そのミカエル先生の言葉が聞こえたらしく、ジャンヌからすぐに返事が来ました。



『そんな事だろうと思ったよ。』
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