カナリアンソウル
Chapter.3
なんとなく。


「マジ学校お久すぎ!」


ただなんとなく鳴きながら待ってるの、


『皆うちらのこと忘れたかな?』


今どこかで泣いてる人を。


「実際そんな休んでないっしょお♪皆ご自由に忘れちまえ〜」


ただなんとなく…


『言いたい放題だな。席とか無かったりして!ウケる』


泣きながら待ってるの、


「ちょっと結衣、それはウケね〜からあ★」


今もどこかで鳴いてる人を。


『ウケんじゃん。強制退学ってやつ?』


午前中は二人してうちで見事、爆睡。


気分で果穂と午後から登校。


たまにしか行かない。


それが綺麗に壁となり、学校はあたし達のことを“生徒じゃない何か”として見ているようだった。


別に何を言われても構わない。


ただ、こんな奴等いたな〜と確認するような皆の視線がいつも以上に痛いくらい突き刺さる。


それともう一つ久しぶりなこと。


明希に会いに病院へ行く。


『あたしのこと忘れてたりして…』


あんなに毎日行ってたんだもん、急に行かなくなったら忘れて当たり前か…


きっと覚えてないよね。




あの電話でした約束も―
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