左肩の重み~隣で眠る君へ~
その夜、美香の熱は9度9分まで上がっていた。


急いで夜間の救急病院へ連れて行き、血液検査・肺のレントゲンを撮ってもらう。


結果は、マイコプラズマ肺炎。


肺炎って聞くとお年寄りがなるイメージだが、マイコプラズマはどちらかというの若い人がなるらしい。


今までとは違う薬を出してもらい、それを飲んで寝ると次の朝には7度台まで熱は下がっていた。


そんなことがあったから、俺は美香に一緒に暮さないかと提案した。


最初は驚いた表情をしていた美香も、俺の提案にコクコクとうなずいた。


一緒に暮らすことで、より美香のことを理解出来た。


普段は甘えて来ない美香だけど、精神的に参っているとソファーに座っている俺の隣にチョコンと座り、身体を預けてくる。


そんなときは、下手に声をかけない。


少しだけ自分の方に引き寄せて、髪をなでてやる。


それだけで美香は、ものすごく安心したような顔をする。


週末なんかは、そのまま眠ってしまうこともある。


その顔はとても穏やかで、その顔に癒されている自分もいる。


そんな暮らしを始めて、もうすぐ1年。
< 20 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop