太陽に輝く君 -夢空-
補習もなく迎えた夏休み。
隼翔たちが甲子園に行く
3日前の今日。
『見て〜っ』
菜緒から送られてきたメール。
添付されてたお守り…
「やばいっ」
部屋中にあたしの
叫び声が響く。
約束してたお守りが…
まだ作ってないことに
気づいた。
習い事が忙しくて
時間がなかったのは確か。
でも妥協はしたくないの。
あたしは必死にお守りを
作りはじめた。
桜山のユニホームにある
筆記体の刺繍を
丁寧に布に縫い付ける。
夏の訪れを感じさせる
太陽をいっぱいに
背中に背負い,
一生懸命に作る。
作業開始から2時間。
お守りが完成した。
初めてにしては上出来。
これからもお守りを作れたら
いいなっなんて思い,
あたしは次の日,
隼翔に会いに行くため
電車に乗った。