太陽に輝く君 -夢空-
球場の外で待ち始めて
もう20分…。
「ごめんっ」
大輝の声の方向を向くと
隼翔と大輝の2人が
ユニフォームを着たまま
こっちに歩いてきてた。
「お疲れさま」
隼翔の少し疲れてる
顔を横にそう言った。
返ってきた返事は
「おぅ」
だけ。
それが隼翔らしくて
笑うと鋭い目つきで
顔を覗かれた。
「俺らは俺らで行くから,
じゃあな隼翔に真帆っ」
大輝と菜緒はそう言うと,
さっさと球場をあとにした。
何が起こったのか
全く理解できなかったあたしに
助け船を出したのは隼翔。
「試合の後くらいしか
会えないから」
「ん?」
「これから夏が近づくと
土日も朝から夜まで練習で
平日もずっと練習だからな」
「そっか。無理してない?」
あたしの問いに
全然って答えると
行くぞと言い,あたしの
手を取って歩きはじめた。