僕と君との境界線【BL】
「でも…桃井は男だ…」


「じれったいわねぇ…もう、男だからって一体、何なのよ!好きになるのに、男だろうと女だろうと、全然関係ないの!」


「戌井がいる…」


「戌井さんから奪えばいいでしょ!」



僕は布団を頭からかぶった。


母親が、きっと干したんだろうか。

太陽の香りが、胸いっぱいに入り込んでくる。


ふと、戌井ユキの横顔が頭に浮かぶと、再び布団から顔を出した。

屋上での、あの気まずい対面を思い出したからである。




「敵うわけ…ない」


戌井ユキは美人だ。

桃井もかっこいい…。


その2人はお似合い――、普通のカップルだ。

男と、女の、ごく普通の…。




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