【実話】親愛なる幸せへの回り道

【…っくそっ】



電話の相手が

菜々子から

武田くんに変わった。



【…とにかく入るぞ。

俺、前にお前に

合鍵もらってただろ?】






そういって電話はきれた。



陵は一気に力が抜けたのか、

私を離して床に座りこんだ。





そしてすぐ、菜々子たちが

入ってきた。





『…真里っ!』



菜々子はすぐ

私に近寄り

私を抱きしめた。



『…ごめんね』



『…ごめんねじゃないよ。

もう本当何やってんの!』




口調はいつもと

変わらない菜々子だったけど、

声が涙声だった。




< 200 / 245 >

この作品をシェア

pagetop