【実話】親愛なる幸せへの回り道
【…っくそっ】
電話の相手が
菜々子から
武田くんに変わった。
【…とにかく入るぞ。
俺、前にお前に
合鍵もらってただろ?】
そういって電話はきれた。
陵は一気に力が抜けたのか、
私を離して床に座りこんだ。
そしてすぐ、菜々子たちが
入ってきた。
『…真里っ!』
菜々子はすぐ
私に近寄り
私を抱きしめた。
『…ごめんね』
『…ごめんねじゃないよ。
もう本当何やってんの!』
口調はいつもと
変わらない菜々子だったけど、
声が涙声だった。