【実話】親愛なる幸せへの回り道
ANOTHER BOY
それから私は
陵に送ってもらって、
家に帰った。
『わざわざありがとう。』
『いや。
ってかよかったら
アド交換しない?』
『…うん、いいよ。』
幸に渡そうと思って
握りしめた紙は出さず、
赤外線で送った。
…この紙の使い道は
まだ残っているような
気がしたから。
『ねぇ…なんで
こんなに私のこと気にするの?』
『…えっ?』
自分でも
なんでこんなことを
聞いたのか分からない。
陵の顔が一気に赤くなった。
でも恋を
1回しかしたことがない私は
陵がなんで赤くなったのか、
見当もつかなかった。