狼さんの好きな人
「どうして…」


「やっぱり。ひよりちゃんが、言いかけてやめたのが気になってね。もしかしたら、そうかなぁと思って。いつ枢に言われたの?」


「え…?」


「俺が、ひよりちゃんのことが好きだって。」


「えっと、先月か先々月あたりだったような…」


「ふーん。枢は、意外と鋭いんだな…。ちょっと、庭で話そうか。」


「…はぃ。」


直也さんに連れられて庭に向かうと、私は池の周りにある石段の上に立ち鯉を眺めた。


ここの鯉を見るのも久しぶりだな…って、


あ、あれ…?


何か、人の顔のような模様がついた鯉が…


あれって、前にここで必死に探しても見つからなかった人面魚ってやつじゃ…


ちょ…、これスクープなんじゃない!?


や、ヤバいよ!!


心臓がドキドキしてきた。


か、カメラ!!


そ、そうだ!!携帯のカメラで…


あぁ、向こうに泳いでいってる!!


必死にポケットから携帯を取り出しながら、目で追っていると…


「ひよりちゃん…」


直也さんに話しかけられ、見失ってしまった。


あぁぁぁぁぁ…


.
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