狼さんの好きな人
とりあえず、床に散乱しているものは片付けた。


あとは…


「お前、誰?」


へ…?


声がする方を見ると、背が高くて髪の毛がもっさりとしている男の人が立っていた。


あの髪型はパーマ?


モジャ男だ…


前髪が鼻のとこまであるから、よく目が見えない。


「あ…、今日からマネージャーになった月島ひよりです。」


「月島…ひより…?あ、ゴキブリ…」


へ?


モジャ男が指を差した先は…


私の足元。


おそるおそる、足元を見ると…


二匹のゴキブリが…


「「「イヤーーーーー-------ッ!!!ゴキブリイヤーーーーー!!」」」


凄い勢いでモジャ男に抱きついてしまった。


その瞬間…


爽やかないい匂いがした。


「お前、大胆な女だな。」


「ハッ!!いや、違っ…ゴキブリ!!ゴキブリ!!退治して下さい!!」


「めんどくせぇ…」


「めんどくさいとか言う問題じゃありませんよ!!害虫です!!害虫!!」


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