気まぐれ猫
猫のこと
 その日は連絡事項や時間割の配布など、一時間程度で終わった。
 俺は三人と分かれた後、朝、猫を見た道を歩いて帰っていると、横を俺と同じ学校の制服を着た女の子とすれ違った。
 腰まで伸びた黒い髪はまるで猫の尾のようだった。
 背をピッとのばし、彼女は真っ直ぐ前を見て歩いていた。
 彼女のその様子は、朝見た猫と似たようなところがあった。
 プライドが高そうで、気まぐれな感じ。 俺は二本足で歩く猫を見た気分だった。
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