桜舞う校庭【長編】
『やっぱり高坂君だぁ!』
彼女は、
小学生のようにトビッキリの笑顔を俺に向けた。
『覚えてる?あたしの事』
いや…あのぉ。
ご記憶にございません。
声には出さずに、
彼女の質問に答える。
『あっー!その顔は覚えてないなー!!』
「すいません…どちら様でしょーか?」
俺が敬語で聞くと、
彼女は笑いながら、
『ハハハッ♪眞野和美だよー?』
眞野和美…
まのかずみ…
マノカズミ…
頭をフル回転させる。
「あッ!」
思い出した。
コイツは小学校の時に、
良く話していた隣の席の子だ!
中学で離れてたし、
髪も伸びてたから気付かなかった…。
『思い出したぁ?』
「一応な?これからよろしく。」
『えぇー!いいなー!俺も混ぜてよ!』
そう途中から、
割り込んできなのは
紛れもなく、
イケメン少年、和也だった。