風のおとしもの。
大声で名前を叫ぶと、今度は村井君の体が強張ったみたいだった。
泣き出してしまいそうな村井君の顔。
目にはうっすら光が見える。
「ぁっ………」
「私が、悪いんですか?」
そんな顔させたくない。
そんな顔させるくらいなら、怒鳴られた方がいい。
馬鹿にして、嘲笑ってくれた方が何倍もいい。
肩からずり落ちたカバンを床に投げ、そっと村井君の頬に手を添えた。
びくりと体を震わせた村井君が壊れないように、ゆっくり。
「……おれ、いやなんだ」
「何が、ですか?」
「お前が……また、色んなものに…押し潰されていくのが……」
「え……?」
消え入りそうな声。
こんなに近くにいるのに、村井君が遠い。
その目にはだんだんと涙が溜まっていく。